眼科や眼鏡店の視力検査で聞かれる「赤と緑、どちらがよく見えますか」は、レッドグリーンテスト(二色テスト)と呼ばれ、眼鏡やコンタクトレンズの度数の適合状態を確認する目的で行われる検査の一つです。光の色によってピントの合う位置がわずかに異なる性質を利用しています。正解を当てる検査ではなく、見えたまま答えることが基本とされています。
この記事で解説すること
- 赤と緑の検査が、そもそも何を調べているのか
- 赤・緑・同じに見えることが示す意味と、その仕組み
- 検査での答え方と、気をつけたいこと

「赤と緑」の検査とは何か
「赤と緑、どちらがよく見えますか」という質問は、いま使っている(または試している)眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っているかを確かめるための検査です。赤と緑の背景に置いた文字の見えやすさを比べることで、度数が強すぎたり弱すぎたりしていないかを確認します。難しく考える必要はなく、見えたとおりに答えれば度数調整の有益な情報となります。
レッドグリーンテスト(二色テスト)と呼ばれる検査
この検査は、レッドグリーンテスト、二色テスト、赤緑テストなどと呼ばれます。名前は違っても調べている内容は共通しており、矯正の度数がその人にちょうど合っているかどうかの確認です。
度数には、強すぎる状態と弱すぎる状態があります。赤と緑という2色の見え方を比べることで、そのどちらかに偏っていないかの指標が得られます。特別な機械に顔を近づけるわけではなく、赤い背景と緑の背景に並んだ文字を見て、見やすさの印象を答える形式の、身体的な負担が少ない検査です。
視力検査の仕上げとして行われる
赤と緑の検査は、視力をひととおり測ったあと、度数を微調整・確認する仕上げの段階で行われる傾向があります。おおまかな度数を決めたうえで、最後に「強すぎず弱すぎないか」を確かめるイメージです。
また、この検査は眼科だけでなく、眼鏡店でも一般的に行われています。眼鏡やコンタクトレンズを新しく作るときに聞かれた経験がある方も多いのではないでしょうか。それだけ広く使われている、一般的な確認方法の一つです。
なぜ赤と緑で度数がわかるのか|色収差の仕組み
赤と緑で度数がわかるのは、光の色によってピントの合う位置がわずかに違うためです。光には、色ごとにピントの合う場所が少しずれる性質があり、これを利用すると、度数が強すぎるほうにずれているか、弱すぎるほうにずれているかを判断する指標となります。適切な度数では赤と緑が同じくらいに見え、どちらかに偏って見えるときは度数の微調整が必要なサインとなる仕組みです。
光の色によってピントの合う位置が少し違う
光は、色(波長)によって曲がり方(屈折のしかた)がわずかに異なります。この、色でピントの位置がずれる性質を「色収差」と呼びます。
具体的には、波長の長い赤い光は焦点が後ろ寄り(網膜の奥側)になりやすく、波長の短い緑の光は焦点が手前寄り(網膜の前側)になりやすい傾向があります。つまり、同じ目で見ても、赤と緑ではピントの合う位置に前後のズレが生じます。検査では、この自然な性質をそのまま利用して、度数の適合状態を確認しています。
度数が合っていると赤と緑が同じくらいに見える
度数が適切なときは、赤の焦点と緑の焦点が、ピントの合う面である網膜を挟んでほぼ等しい位置にきます。その結果、赤と緑のどちらかが特別に見えやすいということがなく、両方の見やすさが同等に感じられる傾向があります。
一方で、赤か緑のどちらかに偏ってはっきり見える場合は、度数が強すぎる、あるいは弱すぎる可能性があります。どちらに偏っているかが、度数を微調整する指標となります。ただし、その見え方が具体的に何を意味するかは、近視か遠視かによって変わってきます。
赤・緑・同じに見える場合の意味
赤・緑・同じのどれに見えるかは、度数の適合状態や、過不足の傾向を把握するための指標となります。基本の考え方として、両方が同じくらいに見えるなら度数が合っている目安とされ、どちらかに偏るなら調整の余地があると考えられます。ただし、赤・緑それぞれの意味は近視の人と遠視の人で変わるため、まずは一般的な傾向として把握しておくことが推奨されます。ここで示すのはあくまで目安であり、最終的な判断は検査員・医師が総合的に行います。

近視の人の場合の見え方の意味
近視を矯正しているときは、次のように考えられるのが一般的な目安です。
- 赤がよく見える場合:度数が弱め(低矯正)に寄っている可能性がある
- 緑がよく見える場合:度数が強すぎる(過矯正)に寄っている可能性がある
- 同じくらいに見える場合:度数が適正である目安とされる
ただし、これはあくまで傾向を示す目安です。その日の体調や目の状態によっても印象は変わるため、赤緑テストの結果だけで度数が決まるわけではありません。最終的な度数は、ほかの検査結果もあわせて検査員・医師が総合的に判断します。
遠視の人の場合は意味が逆になることがある
遠視を矯正している場合は、近視のときと解釈が逆になることがあります。具体的には、赤がよく見える場合は過矯正寄り、緑がよく見える場合は低矯正寄りと判断されることがあります。
そのため、「赤がよく見えたから度数が弱い」といったように、近視の目安をそのまま自分に当てはめると、実際の状態とは異なる認識を持つ原因となります。
そのため、一部分の見え方のみで自己判断することは避けるべきです。自分が近視なのか遠視なのか、その日の見え方や検査全体の流れを踏まえて、度数が合っているかどうかは検査員・医師が判断します。見え方に不安があるときは、その場で検査担当者や医師に伝え、適切な対応を受けることが推奨されます。
検査での答え方と気をつけたいこと
赤と緑の検査では、正解を当てようとせず、実際に見えた状態をそのまま伝えることが重要です。この検査には「こう答えるのが正しい」という決まった答えはなく、その見え方そのものが度数を調整するための重要な情報となるためです。無理にどちらか一方を選択するのではなく、正確な見え方を伝えることが、適切な度数調整に繋がります。
正解を当てる検査ではない|見えたまま答える
繰り返しになりますが、赤と緑の検査に「正しい答え」はありません。試験のように身構える必要はなく、実際に見えたとおりに答えることが基本です。
どちらが見やすいか分からないときは、「同じくらい」「迷う」と伝えて差し支えありません。無理に一方を選ぼうとすると、かえって適切な度数から離れてしまう原因にもなります。「はっきりしない」という情報も度数を調整するうえで十分に役立つため、主観的な見え方の印象をそのまま伝えることが推奨されます。
度数が強すぎる(過矯正)と目が疲れやすいことがある
度数が強すぎる過矯正の状態は、目の疲れや肩こりといった、いわゆる眼精疲労の一因になることがあるとされています。よく見えるようにと度数を強くしすぎると、かえって目に負担がかかる場合があるということです。
だからこそ、赤緑テストで度数が強すぎないか・弱すぎないかを丁寧に確認することには意味があります。眼鏡やコンタクトレンズを使っていて目の疲れが気になる、見え方に違和感があるといった場合は、自己判断で度数を変えようとせず、眼科を受診し、専門医の診察を受けることが推奨されます。
よくある質問(FAQ)
Q. 体調や目の疲れで見え方が変わることはありますか?
体調や目の疲れによって、赤と緑の見え方の印象が変わることはあります。その日の目の状態によって感じ方が違うのは自然なことなので、そのときに見えたとおりを正直に伝えるのが基本です。見え方が普段と大きく違うと感じるときは、その旨を検査員・医師に伝えて確認してもらうとよいでしょう。
Q. どちらが見やすいか分からないときはどう答えればいいですか?
「同じくらい」「迷う」と正直に伝えて構いません。無理にどちらかを選ぶ必要はなく、はっきりしないという答えも、度数を調整するうえで役立つ情報になります。感じたままを伝えることが、自分に合った度数につながります。
Q. 緑がはっきり見えたら必ず度数が強すぎるのですか?
必ずしもそうとは言えません。赤と緑の見え方の意味は、近視か遠視かによって変わるためです。緑がよく見えることが何を示すかは一概には決められず、検査全体の結果やその日の見え方を踏めて、検査員・医師が総合的に判断します。
まとめ|赤と緑の検査は度数を確認するためのもの
赤と緑の検査(レッドグリーンテスト)は、色収差という光の性質を利用して、眼鏡やコンタクトレンズの度数の適合状態を確認するための検査です。赤・緑・同じに見える場合の意味は近視・遠視で異なり、同じくらいに見えるのが度数が適正である目安とされます。
重要なのは、正解を当てようとするのではなく、見えたまま正直に答えることです。度数の最終的な決定は、ほかの検査結果もあわせて検査員・医師が総合的に行います。適切な視力矯正を維持するために、定期的な検診や眼科への相談を検討することが重要です。
参考文献
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